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思うがままにならない人生、せめて日々のんびり適当に生きたい。そんな私のブログへようこそ。
2018年09月03日 (月) | 編集 |
皆さま、こんばんは。もう夏も終わりですね。この夏はいかがでしたでしょうか?海水浴に花火に虫取りと夏は楽しいイベントが盛りだくさんでしたね。おっと忘れちゃいけません。夏といえばやはり肝試しでしょう。昼間のプールで水浴びもいいですが夜中に墓場で肝試しをするのも背筋がゾッとするくらい涼しくなるのでオススメですよ。

ご挨拶が遅れました。わたくし各地を旅しながら怖い話を語らせて頂いている「イナバパンダ」という者です。どうぞよろしくお願いします。


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さて肝試しといえばつい先日まで私が滞在していたはるか海の向こうの島、ダイアロス島でもいま肝試しが流行っているようでして。私も怪談を語ることを生業としている身としてはこの機会を逃す訳にはいかないと思いましてね、ダイアロス島にある屈指の心霊スポット、ムトゥーム地下墓地へ肝試しに行ったんですよ、ええ。

ですがそれが間違いでした。あそこの墓地にはほかの土地では見ることのないゾンビやらガイコツやら果ては死神までウロウロしていましてね。ええ、死神ですよ死神。私長いあいだあちこちを旅していますが死神を直接見ることが出来たのなんて初めてですよ。

で、死神なのでこちらに襲いかかってくるんですね。見たこともないような魔法を使ってきてね。怖いなぁ。肝を冷やす程度の気持ちで行ったのですがリアルに命の危機を感じましてね・・・。死に物狂いで逃げ帰ってきたわけです。あんまり疲れたのでお腹が空いてしまってムトゥーム地下墓地にある食べ物屋さんに寄ったんですけどね。

ここの名物はなんですか?って店員さんに聞いたらなんだかよく分からないぐちゃぐちゃした物がたくさん載った丼が出てきて。私もよせばよかったのでしょうけれど、もう疲れ切っていたので出されたその丼をそのまま頂いてしまったのですね。
齧り付くように丼をかきこんだらなんだか口の中がすごく臭いんですよ。これはなんの匂いだろう、って疑問に思いよく嗅いでみたら、なんと、死臭がするんですよね・・・。ええ、死体から出るアレです。味は美味しいのですが匂いが強烈なんです。私気持ち悪くなってしまいましてね。

店員さんになんだこれは!って詰め寄ったんです。そしたら店員さんがおっしゃるにはそれはムトゥーム地下墓地の住人がこよなく愛する「五臓炒め」という料理らしいんです。イヌの肺臓だとかライオンの腎臓だとかとにかくいろんな生物の内蔵を詰めあわせた高級料理らしいんですよ。

確かに匂いさえ辛抱すれば舌の上でとろけるような絶妙な食感の丼なんですよね。おまけに身体の内側からなにやら猛烈に魔力が湧き上がってくるようで・・・。手が止まらなくて結局最後まで平らげてしまったんですよ。ペロリとね。ちょっと匂いにクセはありましたがあんな不思議な料理は他ではお目にかかれないでしょうね。

皆さんもぜひムトゥーム地下墓地で肝試しをした際は肝の飯を味わってみてくださいという腹持ちも気持ちもいいお話でした。


おや場がすっかり冷え込んできましたね。寒くてくしゃみがでそうなくらいです。もうクーラーも必要ないでしょう。ではそろそろ怪談話に入りましょうかね。



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------------【続きはここから】--------------

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これから話す怪談は私の知り合いのしろくまの話なんですけれどね、そのしろくまもダイアロス島で現地人に混じって生活していまして、例の肝試しブームに乗っかってしまったらしいのですよ。今ダイアロスではおかしな噂が広がっていましてね。

なんでも子どもたちに挑発されたらしくて、臆病な性格なのに「野生生物が幽霊ごときに恐れをなすわけがない!」などと大見得を切ってしまって後に引けなくなってしまったらしいんですね。


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その噂の内容というのがまた奇妙でして、夜な夜なムトゥーム地下墓地に謎の女性が現れるらしいのです。私は地下墓地の地下の方へ潜って肝試しをしたのですがそれとは逆に地上につながる道があるらしいんですね。毎晩その地上墓地の入り口付近に出てくるらしいんですが、どんなに話しかけてもひたすらコインを数えているだけで話が通じないというんですね。

で、自分の勇敢さを示すためにしろくまも見に行ったんですって。そしたら彼もその女性を見つけることが出来たそうなんです。


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でもやっぱりひたすらコインを数えているだけで自分の存在にすら気づいてないようなんですね。これはおかしな女性だと思ったらしいです。


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でね、諦めて帰ろうとした時に足元に一枚コインが落ちているのに気づいてしまったそうなんですよ。「おや、こんなところにもコインが落ちている」と思って思わず拾ってしまったのだそうです。


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すると今まで一切反応がなかったその謎の女性がくるっと振り返って自分に掴みかかってきたんです。彼はその時はじめてその女性の顔を見たんですが、なんと本来目があるはずのところに目玉がなくて真っ黒い穴が空いていただけだったそうなのです。そして口もね、歯も舌もなくて、つまり顔に真っ黒の穴が3つ空いているだけだったんですって。ひぇぇ~。

彼女の顔の異様さにすっかり気が動転してしまいそのまま地上墓地のあるほうへ逃げ出してしまったらしいのです。これが彼の悲劇の始まりでした。



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彼が恐れをなして逃げ出してしまった地上墓地というのは普段からガイコツやネズミ男がうろついている怖い場所らしいんですけどね、その日の地上墓地はいつにも増して異様な雰囲気に包まれていたそうなのです。


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いつもなら夜の時間は大量のガイコツや死霊がうろついていて怖いなりに騒がしい場所なんですけどね、その日はガイコツはおろか虫の鳴き声すら聞こえてこないのです。ガイコツが骨を鳴らすガチャガチャという音もなくしーんと静まり返った墓地は普段の怖さとは違う種類の不気味さに呑まれていたのです。
しかも元来た道を引き返そうとしてもなぜかまた地上墓地に戻ってきてしまって「これは非常にまずいことになった」と感じたんですって。

途方に暮れてたその時、急に背後から人の声がして振り向くと近くの木の下に和服を着た青年が立っていたそうです。


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和服の彼は名をシマユキと名乗ったのですが、そのシマユキがしろくまの手の中のコインを目ざとく見つけてそれについて聞いてきたらしいんです。

その時までコインを拾ったことをすっかり忘れていた彼はシマユキに指摘されてはじめてコインを持ってきてしまったことに気づいたらしいんですけどね、シマユキもそのコインを探しているらしくてそれを集めるのを手伝ってほしいと持ちかけてきたそうなのです。

でもしろくまの眼にはそのコインは錆びて汚くなったなんの価値もないコインにしか見えないんですよね。なぜこんなものを集めているのか怪しく感じたそうなのですが、集めてくれればなんとかして地上墓地から脱出させてあげるって言ってくるんですよ彼。今の状態を打開する方法が思いつかなかったしろくまはシマユキを疑いながらも彼の取引に応じることにしたらしいのですね。


でも世の中はそううまくいかないものなんですねぇ。手がかりを探そうとして一歩踏み出したその時、出たんですよあの女が。


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シマユキとの事ですっかり頭から消えていた女が急に現れたので慌てて逃げ出したらしいんですね。その女はそばにいたシマユキには目もくれず自分の方に一目散に追いかけてきたので実はシマユキは女とグルなんじゃないか、とちらっと思ったそうなのですが、それを確かめる余裕もなくとにかくその時は逃げるだけでいっぱいいっぱいだったそうです。


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走りながら辺りをよく見ると半透明の幽霊がそこら中を歩いていたり、


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こんな真っ暗なのに明らかに生きている女の子たちが焚き火をしているんですよ、墓地の中で。近くに大人もいないし普通に考えたらおかしな光景なんですけどね、その時の彼はようやくまともそうな人間に出会えた喜びで女の子たちに話しかけてみたんですよ。
でも何を言っているのかよく分からないことしか言わないんです。あぁ怖いなぁ。怖いなぁ。一体なぜこんな小さな子が墓地にいるんだろう。もしかして今自分は夢を見ているのではないのか。そう自分を疑ったそうです。


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女の子たちからも逃げ出して地上墓地の奥へどんどん走っていくとお地蔵様が立っているのを見つけたそうです。お地蔵様ってどちらかというと神様寄りの方じゃないですか。先ほどから奇妙なモノばかり見続けて頭がおかしくなりそうになっていた彼はお地蔵様の存在にすっかり安心して近づいたんですね。


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ところがそのお地蔵様が彼に喋りかけてきたんですよ。色々ありすぎてもうなにがなんやら分からない彼は身体が石になったように1歩も動けなくなってしまったんですって。
喋るお地蔵を様をぼやっと眺め続ける彼にお地蔵様は錆びたコインは墓地に潜む連中が隠し持っている事と、ほしければ持っている奴らから盗み取ればよいじゃろ?と囁いてきたのだそうです。


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アドバイスをしてくれるこのお地蔵様は味方なのか敵なのか、それは分からないが少なくとも錆びたコインは墓地の住人たちが持っていることだけでも知れたことに彼は安堵し、ちょっとだけ冷静さを取り戻したそうです。



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さて錆びたコインを持っている存在がいることは知ることができたものの、一体誰が持っているのかまでは教えてもらえなかったし、もしそれを知ることが出来てもどうやって手に入れようかなぁとね。だって相手はこんな訳の分からない場所にいる連中でしょ?下手なことしたらおっかないですよね。

悩んでいるとふいに見つけてしまったんですよ。幽霊が持っているのを。


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ああ怖いなぁ。幽霊から錆びたコインを取らなきゃいけないのかなぁ。でもこのままじゃここから抜け出しないしなぁ。ずっとここにいるのは嫌だし恐る恐る話しかけてみたらしいんですよね幽霊に。でも当然反応なんて返ってこない。いっそのことこっそり掠め取ろうとも思ったらしいんですけどね、やっぱり幽霊になにかするのってすごく怖いじゃないですか。幽霊、幽霊からコインを奪う方法・・・。考えていたら思い出しちゃったんですよ!

わたしたち人間に規則や風習があるようにクマ界にも独自の風習があるらしいんですね。彼らクマは非常食として常におにぎりを持ち歩くという生活の知恵があるらしいんです。それでちょうどしろくまもお弁当におにぎりを持って来ていて、その日はそれ用にアジシオを用意していたんですって。

幽霊対策に盛り塩が効くっていうのはクマたちも知っていたらしくて、それをふりかけてみたらどうかって思いついちゃったんですと。それでね、ぱぱぱっとアジシオを振りかけてみたというわけです。


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するとね、急に幽霊の身体がぐぐぐって縮みだしたんですって。みるみる小さくなってしろくまのお腹くらいのサイズまで縮んでしまったんですって。ええぇ、幽霊ってこんなふうに消えるのぉって思ったらね、そうじゃなかった。


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そこにいたのはなめくじだよ!しかもけっこうでかい!幽霊ってのはなめくじだったのか!キツネやタヌキが化けるっていうのは昔からよく聞く話ですけどね、なめくじも人を化かすんだねぇって妙に感心してしまったそうです。なるほどねぇ、幽霊が塩に弱かったり足がないのはなめくじだったからなんですねえ。これからは幽霊が出たら「やい!このなめくじ!」って言ってやりましょうよ。

正体がばれてしまったなめくじはとても慌ててたんでしょうね、錆びたコインをその場に落として逃げていってしまったそうですよ。



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幽霊がなめくじだったと知ってちょっと元気になったしろくまの前にまた女の子が現れたんです。しかもさっきの焚き火のそばにいた三姉妹と姿は瓜二つ、いや瓜四つなんですけど、どうもさっきの子たちとは別の子みたいなんですよね。なんと彼女たちは四つ子だったんですねぇ!今どき三つ子もほとんど見かけないのに四つ子とはおどろ木ももの木ごりらはうっきっきーですよ。

ごりらはともかくどうやらこの子だけ3人とはぐれたみたいでひとりで火にあたってたんですよね。こんな薄気味悪い墓地で女の子がひとりでいられるなんてびっくりしますよね。でもね、本当に驚いたのはここからなんですよ。


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彼女、第三女らしいんですけどね、彼女が四姉妹の名前を教えてくれたそうなんです。いいですか?耳をかっぽじてよく聞いてくださいね。彼女たちの名前は

長女:牛乳(みるこ) 次女:キクコ 三女:和歌流子 末女:汁粉

らしいですよ!なんというDQNネームなんでしょう!牛乳って!汁粉も酷いじゃないですか。せめて「お」をつけてやってください「お」を。彼女たちの親は飲み物マニアなんでしょうか。
しかもポケモンマスターが混ざっているじゃないですか!この歳で私たちが恐れている幽霊を逆に捕まえて戦いに使おうとは、さすがは四天王になるだけの貫禄の持ち主。肝っ玉のデカさが違います。彼女の才能が怖くなってきましたよ私。

いやそれよりもっと怖いのは自分の娘たちにこんな名前をつける親が実際にいるという事実でしょうねぇ。世間で騒がれているDQN、おっと失礼、キラキラネームでしたか。一体最近の親は何を考えているのでしょう。ちゃんと現実を見ましょうって話ですよね。ああ恐ろしや・・・。


まあそれはともかくこの若瑠子ちゃんからお守りをもらって三姉妹のほうに届けたわけです。そしたら三姉妹からお礼の錆びたコインとともに妙に気になるお話を聞けたらしいんですね。


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少女たちが語ることによるとこの一見何の変哲もない錆びたコインには強い執念のようなものが込められていて、このコインに纏わるとある女性は罪を犯したために呪われたそうです。
一体なんの話なんでしょう。あの目に穴が空いたような女も、もしかしたらシマユキもこの話に関わっているのでしょうか・・・。やだなぁ。関わりたくないなぁ。そう思わずにはいられないですよね。でももう関わってしまったし、せめて自分が呪われないように無事に終わらせねば、と思ったらしいですよ彼は。



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さてこれで手に入れたコインは2つ、ほかにはないかなぁと思ってたまたま目の前にあった穴の中に入っていったんですね、穴の中は暗くて周りが見えないので手探りで壁伝いに下がり坂を降りていたんですが、なんかさっきから視線を感じるんですって。じいっと見られている気配がするらしいんですね。自分しかいないはずなのに嫌だなぁ、気持ち悪いなぁと思いながら少しづつ降りていくと急に開けた場所に出たそうです。

そしてその広場に多くのキノコ、いやエリンギだったそうです、ともかくびっしりと生えているのを見つけてしまったんです。


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それもそのエリンギというのがただのエリンギではなくて、なんと目が2つついていたんですよ!ひゃあぁ~人面エリンギだ!その多数生えているエリンギがね、彼のほうをじっと見つめているんです。彼が歩くのに合わせて視線を移動してくるんですって。

何十というエリンギが何も言わず彼をじっと見つめている、その光景におぞましさも感じたんですがそれ以上にいらっとしてしまったらしくてね、なにか叫びながら近くにあった焚き火で燃やしてしまったそうなんです。


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するとエリンギたちはなにも声をあげずに、いやエリンギなんだから声を上げないのは当たり前なんですけどね、人面エリンギだったので何かしゃべるんじゃないかとしろくまは思ったらしいんですが、何も言わずに灰になってしまったそうなのです。
その灰の中からキラッと光るものがあってね、漁ってみると錆びたコインだったんですって。一体なぜエリンギが錆びたコインを持っていたのか、燃やしてしまった今となってはもう分かりませんけどね。いやぁ気持ち悪かったっていってましたよ。



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洞窟の中をさらに進んでいくと地中深い部分に盗賊がいたんですって。えっ、なんで?って思いますよね。彼も思ったらしいです。さっきの姉妹たちも驚いたんですけどね、墓場に盗賊というのも場違いで驚きますよね。墓地といっても特に盗めそうなものは何もないですしね。


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こういう時だと人間がいると安心するものなんですけれどね、今まで見てきた光景が奇妙すぎて逆に普通の人間がいることに違和感を感じたらしいんですよ。幽霊や人面エリンギが闊歩しながら普通の人間が同時に存在している空間って、ここは一体なんなんだろうとね。

あまりに間が抜けすぎたらしくて相手が盗賊だというのに普通に話しかけてしまったそうなんです。錆びたコインを知らないか、と。ちょっと考えたらそんなものを持っているわけないじゃないと思うでしょう?ところがどうやらその盗賊も錆びたコインを隠し持っている様子なんですって。
お宝ならともかくこんな錆びたコインを盗賊が隠している・・・?なんなんでしょうねこの奇妙な違和感は。じつにもやもやしますねぇ。

でもその時の彼はとにかくコインを手に入れようと必死だったらしくで盗賊を問い詰めたらしんですけど、頑として知らないと言い張る。それでね、もうどんな手を使ってでも奪い取ってしまおうとさっきのエリンギを燃やしたところへもどってキノコの胞子を拾ってきたそうなんですね。


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あんな気持ち悪い顔をしたキノコの胞子だからどんな効果があるのか分からないんですが、とにかくこれを盛ってしまおうとしたんですって。いくら盗賊とはいえ人間相手になんでこんな衝動的な行動にでてしまったのか。その時のしろくまはもうすでに何かに取り憑かれていたのかも知れませんねぇ・・・。


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盗賊に拾ってきた胞子の袋を投げつけるとすぐに倒れて昏睡状態になってしまったそうなんですね。なんという恐ろしい胞子でしょう。うっかり吸っていたらしろくまも倒れていたかもしれません。それで息を吸わないように気をつけて盗賊の持ち物を漁っていたらですね、やっぱり錆びたコインが出てきたんです。ついでに濁った酒と変な棒きれが出てきてね。それもなにかに使えるかもしれないとかっぱらっていたんです。

結局盗賊がなぜこれに目をつけたのか。ただの錆びたコインにしかみえないのにね。あるいは盗賊も憑かれていたのかも、しれませんね。



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やっとの思いで地下の穴から這い出ると今度はどこかから声が聞こえてくるんです。その声はどうやら自分を呼んでいるようなんですね。「おいで・・・おいでぇ・・・」ってね。ひえぇ。怖い。
普通なら当然避けるところなんでしょうけどね、もうしろくまは感覚がマヒしてしまっていたのか、声の主の方へ向かっていったんです。


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どうやら声は丘の上のほうから聞こえてくるんですね。小高い丘に大きな一本の木が生えていて、その根元のあたりなんですね。どんどん登っていくとね、案外すぐに声の主が見つかったんです。


そこにいたのはマドハンドだったそうです。


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えぇそれはもう紛れもないマドハンドだったそうですよ。棒国民的RPGのお手手だけのやつね。地面から黒い手がにょきっと生えていて、「こっちに来てぇ・・・」っておいでおいでしているんです。仲間を呼ぶの!?呼んじゃうの?って身構えたんですけどね、奇妙な事にどれだけおいでおいでしてもだれも来ないんですよ、ええ。味方がひとりも駆けつけてこないんです。このマドハンドはぼっちハンドだったんですね。

このマドハンド、いえぼっちハンドはひとりで寂しかったんでしょうね。それでしろくまを呼び寄せて毛むくじゃらのお手手を相棒にいただこうとしたんですね多分。マドハンドのお手手とグリズリーのお手手じゃ同じお手手の部類でもずいぶん違うだろうってね。もうド◯クエ仲間だから構わないだろうと思ったんですかね。ぼっちって怖いねぇ・・・。私思わず学生時代を思い出してしまってね、胸がキュンとしましたよ、ええ・・・。


でね、そのぼっちハンドが錆びたコインを手に持っていたんですけどね、手放さないんですよ。だからさっき盗賊から拝借した棒で突っついて取り上げたらしゅんとしてしまって目の前で消えていったんです。コインだけ置いていって。今月のお友達料金払えないね。鬼畜なしろくま、怖いねぇ・・・。


で、手元には濁ったまずそうな酒が残ったんですね。でもこれ賞味期限切れてるんじゃね、って思ったらしくてね、まあ仮に飲めたとしても怪しい盗賊が持っていた濁った酒なんて飲みたくないってことで最初に会ったお地蔵様に飲ませてみたんですよ。そしたらお地蔵様浮かれてね、隠していた錆びたコインをくれたそうなんです。

なんだよ!最初から隠し持ってたじゃないか。やはり喋る地蔵なんか信用できないよねって思い直したそうです。なによりこんないかにもやばそうな酒をためらいもせず飲んでしまうなんて、やっぱりアル中は怖いねぇ・・・って。皆さんもお酒には気をつけましょうね。私からの忠告です。


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ともかくこれでね、錆びたコインを6枚手に入れたわけですよ。全部すっかり錆びついていてとても値打ちがあるとは思えないんですけどね。でもこれだけ手に入れたらもう充分じゃないかな、って思ったその時ですよ。遠くからシマユキの悲鳴が聞こえたんですね。なんかカエルが潰れたときの鳴き声みたいな声でね。これはやばそうだなぁ・・・って思いながらも様子を見に行ったそうなんです。


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シマユキがぶっ倒れているんですね。どうやら例の彼女にやられたそうなんです。なぜかシマユキだけは襲われないと思い込んでいたので相当ビビったらしいんですけどね、シマユキの心配をしている場合ではなくなりました。



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急に彼女が襲ってきたんですよ、鬼のような形相をして。いや元々鬼のような形相ですけどね、それに輪をかけて鬼のようなんです。表情なんてまったくないのにすごく怒り狂っているのが伝わってきてもう本気でやばいって直感で分かったそうなんですね。
捕まったらぜったいにやばい、BADENDにだけはなりたくないとひたすら逃げたんです。なにせクリア報酬がかかっていますからね。これだけ手間をかけて、捕まってはい報酬なしでーすじゃやってられませんからね。しろくまも両手両足をフルに使って死に物狂いで逃げおおせたんです。

まあさすがに走ることにかけては普段から足を使わず空中浮遊しているずるい幽霊と、猟師から逃げるのに命をかけている野生のくまじゃ差にならないでしょう、あっという間に引き離して巻いたそうです。


もう安全だろうということでシマユキのところにもどって集めたコインを渡したんですけどね、こいつなんか文句をつけてくるわけなんですねこれが。シマユキが言うんです、コインが汚いとね。


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錆びたコインが綺麗なわけないでしょうと。最初に見たから分かるでしょうとね。いったい何を期待していたのかと。クレーマーってなんでこう無茶苦茶な文句を言うんでしょうね。いやぁクレーマーって頭の中身どうなっているんでしょう。私も彼からこの話を聞いたとき改めて考えてしまいましたよ。やはり怖いのは生きた人間です。本気で怖いですねぇ・・・。

でもシマユキがいうにはそういう話じゃないらしいんですね。なんか手が汚れていたからコインも汚れてしまったんだと。そりゃあさっき休憩中におにぎり食べましたけどね、ちゃんと食べた後ぺろぺろしましたよっと。水で洗えってことなんですかね。アライグマじゃあるまいし。

まあクレーマーには簡単に妥協しないことです。簡単に折れるとつけあがりますからね。約束通りちゃんとコインは持ってきたんで元の世界に返してもらったんです。シマユキはしぶしぶって感じだったらしいですけどね。


ところがね・・・、戻ってきたら真っ暗なんです。いや夜だったから暗いのは当然なんですが、世界そのものが色を失っているような暗さなんですねこれが。ちゃんと戻ってこれたんでしょうか。彼が不安になるのも当然ですよね。



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・・・そのまま気を失ってしまい、次に気づいた時ね、妖怪になっていたんですって、彼。




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もうね、見た目に以前の面影がまったくないじゃないですかと。彼は女の怨念によって妖怪に変えられてしまったのでしょうか。化けの毛皮を剥がされたのか、本当はまったくの別人だろうという声もあるんですけどね。このあとしろくまがどうなったのかは誰にも分からないままです。


でもひとつだけ確かなことがあるんですね。それはなにかというと、このENDはトゥルーエンドではないという事です。風の噂ではあと2つENDがあって、そこにたどり着くためには気をつけなければならないポイントがあるようなんです。盗賊の暗殺を企てたり、焼畑農業をしてはいけないらしいのです。ほかのエンディングを達成することで得られる報酬も変化するそうなので気になる方はやり直してみてもいいかとは思いますけどね。


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でもあのムカつく顔をしたエリンギや生意気な盗賊は抹消したくなるのが人情というものですよね。それにこのBADENDだともれなく両手に目玉がついてくるそうですよ。百々目鬼(どどめき)という腕防具ですね。伝承によると散々盗みを繰り返した手癖の悪い女性の全身に目玉がついてしまったというお話らしいですね。
実際にこの装備も盗みに役立つ効果付きで、実はこの報酬が一番性能がいいんじゃないかという意見も聞こえてきます。あぁ、ちなみに唐傘お化けの被り物とか腰のキツネさんは付いてきませんからね。腕の目玉だけの一品セットです。あなたもこの夏の終わりに肝試しに挑戦してドドメキにトキメキを感じてみてください。

・・・さてここまで長い長い話に付き合ってくださった皆様、本当にありがとございました。話にトドメ決まったところで幕引きとしたいと思います。また来年もこうして逢えることを期待しています。ではごきげんよう。



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今日からまた社会という名の戦場に出ていく皆様、ぜひここで気合を入れて一発押していってくださいませ。


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