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2018年10月19日 (金) | 編集 |
今回は最近立て続けに読んだ推理小説(微妙に推理小説のカテゴリーからはみ出そうなのも混じってますが・・・)を5冊いっぺんに紹介したいと思います。

今回は一冊ずつではなくまとめて5冊の読書感想となってしまったのですが、これには訳があるのです。これは決して私が読書感想を記しておくのをサボったために溜まってしまった、というわけではありません。いえ、正直にこそっというとその理由もだいたい5%から35%くらいは含まれています

しかしその真の理由は推理小説を読み比べてみようと思ったからです。


というのも私は昔から推理小説、またはサスペンス小説のような大きな謎が隠されていたりドキドキハラハラする小説がとっても好きなのですが、私の読書の傾向としては大体いつも同じ作者の作品を次から次へと手にとっていくために私の読書の幅は割と狭い範囲に収まっているのです。
しかし世の中にはまだまだ知らない作家というのが大勢いるのだと最近になって改めて気づき(遅すぎ!)、それは推理小説であっても例外ではないと発見したのです。

私が推理小説として数多く読んできたのはまず推理小説の定番かつ代表として名高い『名探偵ポワロ』のアガサ・クリスティー、現代の日本を代表する推理作家の東野圭吾さん、くらいなのです。
あとはコナン・ドイルの『名探偵シャーロック・ホームズ』をちょこっと読んだくらい(しかしホームズシリーズは犯罪トリックに非常に重点が置かれがちで人物描写やストーリー性がイマイチな部分が合わなくて止めてしまった・・・)なのです。
それ以外にも単発で推理小説をちょこちょこ手にとった記憶はありますが、色んな著者の本を幅広く読むという感じではありませんでした。

そこで今回はふと思い立って色んな推理小説家の先生方を調べ、広く浅く読んでみようとしてみた次第です。同じ推理小説という分野でも作者によっていろんな作風の違いがあるのを感じ取れたら面白いかも知れない・・・と思いついてしまったのですよ

というわけでネットで調べてざっと目についた5冊の本を紹介していきます。他にもまだまだ出会えていない未知の作家の方々が本棚には多く埋もれていることでしょう。皆様も好きな分野や気になるテーマについて小説家ごとの違いを読み比べてみると楽しいかもしれません。


------------【続きはここから】--------------

『毒入りチョコレート事件』 アントニイ・バークリー

はい。長い前置きはこれくらいにして本題です。まずこの『毒入りチョコレート事件』。
タイトルをひと目見て一発でどんな事件が起きるのか分かってしまう単純明快なタイトルのこの本はどうやら推理小説ではかなり古典に入る部類の小説らしいです。落語でいうと『寿限無』とか『まんじゅうこわい』とかでしょうか?落語なんてのをよく知らない落伍者の私でも知っているお話です

落語はともかくこちらの作者はアントニイ・バークリー、なんと1971年の作品らしいですよ!タイトルから分かる通り旦那からプレゼントされたチョコレートに毒が入っていてそれを食ってしまった婦人が死亡するというなんともひねりのない事件です。

しかし、一見単純に見えるこの事件ですが単純なだけに捜査が非常に難航します。なにせ証拠らしい証拠がなく、一体誰が何の目的で毒を混入したのかさっぱり分からないのです。容疑者すら絞ることのできないこの事件に対してお手上げの警察に「探偵クラブ」という知識と洞察力に長けた著名人が集まってできた趣味サークルが事件解決に乗り出すのです。

ここからがこの小説の非常に面白いところで、探偵クラブのメンバーが一人ひとり独自に調査し推理を披露するのですが、それが1人ごとずつに全く異なる結果になるのです。最初の人が推理した事件のあらましを次のメンバーが否定し新たな推理を披露、そしてまた新事実を見つけた次のメンバーが前の結果を覆す推理を見せる・・・というようにどんどん新たな展開を見せていきます。読み終えてなるほど古典と言われる所以がよく分かりました。

ただ斬新なトリックが隠されただ推理小説というのではなく『オリエント急行の殺人』や『そして誰もいなくなった』のような一つの新しい形式を形作った画期的な小説の代表、なのかもしれません。
最終的な結末も予想外で、物語の終始ずっと・テーブルの上で各自が調査した推理結果を披露するだけなのでやや盛り上がりには欠けますが読み終えた後に満足できる内容でした。






『本陣殺人事件・蝶々殺人事件』 横溝正史

これは正確に読んだ本のタイトルを挙げると『横溝正史自選集1』という小説集です。横溝正史という作家さんの作品を載せている著作集みたいなやつです(自選だから自分で選び抜いたのかな?)。

この1巻には「本陣殺人事件」と「蝶々殺人事件」という2作が掲載されており、最初の本陣殺人事件のほうにはなんとあの有名な死神・金田一一のお祖父様である金田一耕助が出てきます。
私は金田一耕助というのはてっきり江戸川乱歩という名のしれた著者の作品だと思っていたのですが、実はこの作者、横溝正史という方の推理小説だったんですねぇ。横溝?誰それ?(無知すぎ!)

よく調べてみたら「犬神家の一族」とか「八つ墓村」なんかもこの横溝さんの作品らしいではないですか!一度も読んだことのない私ですらタイトルを知っている両作品。推理小説家の大御所ですよ!むしろなぜ今まで知らなかったのかのほうが不思議でなりません。しかしこの件では私が悪いのではありません。名前が地味すぎるのが悪いのです
たぶん町で「私、横溝正史です」と名乗られても「はぁそうですか・・・」以外の感想が思い浮かばないレベルですよ。田代まさしという名付けをされて迷惑している人がいたとしても横溝正史という名付けで困る人などいないでしょう。それくらい地味すぎるのです。
ここは「江戸川乱歩」先生に対抗して「神戸履き歩」に改名することを提案します。え、すでに本人死んでいるって?じゃあ戒名として改名すればよいのです。履き倒れる感じでちょうどいいです。地元の宣伝にもなって万々歳です。戒名代は5000万でいいですよ。


はい。話が思いっきりずれました。靴擦れだけに最初はずれまくるのです。絆創膏を忘れずに。それはともかくこの本に収録された「本陣殺人事件」も「蝶々殺人事件」も非常に緻密に考えられた事件でした。本陣殺人事件は場所をうまく使って綿密なトリックがなされた事件、蝶々殺人事件は時間トリックです。
先ほども紹介したとおり本陣~は偶然その場にいた知り合いに呼び出された金田一耕助が(この頃から死神の素質を備えていたのかもしれない・・・)、蝶々~の方は先生というよく知らないおっさんが探偵役として登場します。
本格派トリック推理小説と言えるレベルで、彼らに丁寧に解説されてもなかなか全体像を把握しづらい非常に細やかに手をかけられたトリックをお目にかかることができます。しかし文体はやや柔らかめな感じで昔の小説であるにもかかわらず読みやすい部分は好印象でした。真犯人も意外や意外で日本の推理作家の先駆けと言える方なのかもしれません。

ほかにもいくつも作品を書いているようなので機会があればぜひ読んでみたいですね


   



『迷路館の殺人』 綾辻行人

次は綾辻行人という作家さんの『迷路館の殺人』です。内容はこれぞ王道推理小説!と言えるようなトリック中心の推理小説でした。登場人物たちは迷路館と呼ばれる、通路が迷路構造になった館に呼び寄せられ(こんな家が登場する時点でとても現実的とはいい難い・・・)、その迷路館の中で殺人事件に遭遇します。その中で一体誰が犯人なのか?を競わせられながら生存を賭けて過ごすのです。

この殺人事件の舞台である迷路館というのがいかにも「はい、ここで殺人事件を起こしてくださいね」と言わんばかりの造りで、一応こういう館ができた理由付けはされているのですがまさに犯罪トリックのためにある家という感じです。
登場人物たちもそれぞれの背景描写や行動心理みたいな面はやや薄く感じられ、「事件を舞台にした人間ドラマ」ではなく「推理トリックを飾るための人間模様」という様式ですね。

私は個人的な考えとして推理小説物はたいてい上の2つに分類できると思っているのです(もちろん2つの要素がきっちり二分されているわけもなく中間点はたくさんある、)が、私が好む傾向があるのはどちらかといえば前者の方なのでやや冷めた感じで最後まで読み進めました。
しかし随所にあっと言わせるようなトリックを仕込んであり推理モノとしてはとても完成度の高いと断言できる一作でした。この事件の真相を明かされる前にちゃんと見抜ける人は果たしているのでしょうか?トリック好きな人はぜひチャレンジしてみてください。


   



『我らが隣人の犯罪』 宮部みゆき

次は箸休め、いや脳休めに若干マイルドな内容の小説です。といってもこれは推理小説というより事件小説といったほうが近いかもしれません。
作者はこの方も大変名の知れている宮部みゆき女史です。私も名前だけ知っている、と思い過去の小説を調べてみたら「堪忍箱」という著書を読んだことがあったようです。もう内容はすっかり覚えていませんが

そういえば宮部女史の本を図書館で探していた時もやけに時代小説が多かった気がします。この方は時代小説がメインなのでしょうかね。しかし私は時代小説というのは好まないのです。なにせ現代とはまったく生活様式が異なる江戸時代のお話を出されてもなんか話に入り込めないのですよねー。私が読むのは主に現代小説がメインですなるほどそういうわけで今まであまり触れる機会がなかったのかもしれません。

で、今回は私が読む宮部女史の2作目にあたる「我らが隣人の犯罪」なのですが、これは計五編の短編からなる短編集ですね。宮部みゆきという未知の世界に踏み込むうえでまずは短編からが良いだろう、とこの本を手にとったのです。それぞれの内容もTVの向こうのどこかで起きる大きな殺人事件というわけではなく、ふだん身近にいるような人が犯罪めいた行為を起こすというとっつきやすい内容に収まっています。

まあ感想としては「読みやすかった」の一言に付きますね(笑)短編集でしかも身近にあるちょっとした事件がテーマらしいのでそこまで心に残るようなものではなかったです。空いた時間に軽ーく読み流せる暇つぶし小説みたいな感じでした。しかしとある章を締めくくる「人間死ぬ気になればなんでもできる」という言葉は良かったですね。まあこれが私の場合になると「わたくし死ぬ気になっても大したことはできない」に変化するのでしょうけれど(´・ω・`)

ここで一句

「秋深し 隣はなにを する人ぞ 私はネトゲを する人ですぞ」
(暇人の)末路でしょう

お粗末さまでした。


     



『カラスの親指』 道尾秀介

カラスに親指はあるのでしょうか。たしかにカラスには左右の足に指のようなものがありますがそもそもあの動かない物体は「指」と呼んでいいシロモノなのでしょうか。そしてもし仮に指と呼んでいい物体だとしても3つしかないのに親とか子とかあるのでしょうか。カラスにしてみたら右指・中指・左指って感じじゃないですかね。あ、そういえばもうひとつ足の踵方向に指があるのを忘れていました。あれが親指?いやいや、親指が裏についているわけがありません。あれはいわば3つの指の踏み台にされる年寄り指(もしくは年金指)と名付けるほうがふさわしいでしょう。まてよ、年寄り指ならむしろ踏み台にするほうでは・・・?

などとタイトルの時点で我らに頭脳プレイを仕掛けてくる5つめの著作。内容はカラスのバードウォッチングに基づく研究、ではもちろんありませんよ。ヤミ金から借金漬けになって人生を壊された男たちがヤクザに復讐する話です。

読んでいる最中、なぜこれがおすすめ推理小説モノをググったときに引っかかったのかすごく疑問でした。内容は犯罪小説、とジャンル分けすればいいのか分かりませんが彼らがヤクザたちと一進一退の攻防を仕掛けるお話で、たしかにドキドキハラハラはするものの推理小説にあたる要素が欠片も見つかりませんでした。
まあそれはなくともこれはこれで面白いしおすすめです。5人が理不尽な攻撃をしかけてくるヤクザたちにいかに対抗するか、途中から目が離せなくなります。


しかし最後にあっという超どんでん返しで全部の舞台がひっくり返るほどの衝撃が待ち構えていました。そこまでの伏線も実に見事。果たして初見で気づける、まではいかなくても「ん?」と疑問に思える方はおられるのでしょうか。これは読者に対する挑戦のような小説となるでしょう。そしてカラスの親指はけっきょくなんの事だったのか、ハッとさせられることでしょう。皆様が読了後にクローッ!と唸る声が聞こえてくるようですよ
それでこそ最後まで読み終えた苦労が実るというものです。まったく、黒い奴だったよ・・・。






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しかし結局推理小説といえば東野圭吾だよね!それ以外の作家なんて知らんがな(知識的な意味で)という我が同志はこちらを押していってくださいませ。


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